チラムネ林間学校現地レポ【執筆:ハーレー】

キャンプ編

 秋風が漂ってきたがまだ夏と言い張りたい9月30日。福井駅周辺では翌年の北陸新幹線開通に向けて街全体が動いている。
 そんな日の午後、我々は福井駅から車で約2時間の海沿いの地域、三国の休暇村のテントサイトにいた。約20人の幅広い年代の男たちが集まった理由は「チラムネ林間学校」に参加するためだ。この企画はチラムネ5巻で朔たちが夏期勉強合宿で訪れた休暇村に併設されているテントサイトでキャンプをしようという企画である。

 顔なじみがある方も初めて会う方もいる中、挨拶もそこそこに皆早速動き出す。
 まずテントを立て、タープを立てる。そして並行して夕食のカレーを作り始める。
 私はテントもタープも扱ったことがないため、経験者に聞きつつ同年代の方数人と共に説明書とにらめっこしながら1時間以上かけて設営を完了。今までしっかり話したことがない方々とも色々と相談しながらテントを立てたことで一気に距離が近くなったように感じた。
 その後はテントを立てほっと一息ついていた。ふと空を見てみるとまだ夕方時のはずなのに真っ暗になっていた。そうこうしてるうちに雨が降ってきた。天気予報をみてある程度予想していたが、想定より非常に強い雨であった。タープの下で雨をしのぎつつ、半分濡れながらどうにかカレーができるのを手伝いつつ、交流を深めながら待つ事に。
 まだ夏とは思えない寒さに耐えているとカレーができ上がった。
 紙皿によそわれたカレーは一口ほおばると寒い体に染み渡る。私が知る限り過去1番美味しいカレーだった。

 食後はある程度片付け、各々のテントに戻り一息。
 その後は近くの温泉施設で体を温め、テントごとに談笑して仲を深め、まるで修学旅行の夜のような日をすごした。
 翌朝、朝6時。昨夜の大雨が嘘かのような朝日に迎えられて目を覚ます。外に出るとさすがに雨の残り香を感じ、足元の芝生は濡れている。
 体を起こしつつ、早速片付けに入る。片付けが一区切りついたところで朝食に。朝食はこっぺ亭さんのコッペパンが1人2本とインスタントのコーンポタージュ。
 少し重い朝食を終え、片付けも終了。こうして林間学校は幕を閉じた。帰り際、昨日は薄暗く見えなかった三国の海が青く輝き、チラムネのキャラたちが見たであろう光景に思いをめぐらせた。

清掃活動・sumuさん編

 昨日の雨が嘘かのような快晴のなか、海辺の自然から建物が立ち並ぶ福井駅周辺まで戻ってきた。
 まだ朝と呼べるであろう時間帯に我々はチラムネファンとしては福井に来たら絶対に来るであろう東公園から、福井駅前の聖地まわりを3つのグループに別れて清掃活動を行った。何度も来ている駅前の街並みもじっくり足元を見ながら歩き回ると綺麗な街並みにも吸殻やコンビニゴミなどが点在していた。駅前だけでも皆で集めるとかなりの量になり、短い時間ではあったものの清掃活動の重要性を感じた。
 
 清掃活動の後は9月いっぱいで閉店されたsumuさんを貸切で開けて頂き、作中にもでてきたエッグベネディクトをいただいた。料理が出るまで、聖地巡礼ノートに最後の思い出として皆で思いを回し書きしつつ、今回の林間学校についてどうだったかやまたやりたいことなどを語り合った。
 しばらくするとエッグベネディクトが乗ったお皿が目の前に現れる。福井に来る度にいただいた2巻で悠月が頼んだスモークサーモン&アボガドのエッグベネディクト。出会いのような、別れのような味を、またの機会がないのかもしれないが、またを信じて美味しくいただいた。
 食事後は北陸新幹線の福井延伸イベントに我々で参加。sumuさんで別れを感じたあとのこのイベントは新たな出会いのような気がした。
 
 日が赤くなった頃、イベントは終了し、我々の林間学校も終了。
 とても長いようで、短い2日間が終わった。
 福井の方、北陸の方、関東の方、関西の方、更に遠方の方、皆自分の家に帰っていく。
 私もしばらく聖地を巡り、帰りの夜行バスに乗る。
 翌日、目を覚ますとそこは日本最大のターミナル駅。
 1日前は自然に囲まれていたはずなのにいつの間にかビル群に囲まれる都会にいる。
 まだ、終わった感をに現実感がない私は思い出を探すようにスマホを開く。
 すると林間学校のコミュニティは皆の帰宅報告で溢れていた。そうだ、これは林間学校。帰りまでが林間学校である。そう思いなおして私は自宅への帰路に着いた。

2023/11/4